ほげーむわーく

宿題をゲームのように楽しむブログ

全く参考にならない残暑の乗り切り方

今週のお題「残暑を乗り切る」

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今週のお題が残暑を乗り切る。

残暑の乗り切り方と言われれば難しいものがある。
というのも残暑を乗り切るという対処療法的なものよりも、残暑を乗り切れるように鍛えておくというのが私なりの流儀なのである。


夏といえば暑い。当然のように暑い。
とてもこのままじゃ過ごせないので一般ピープルはエアコンの冷房のスイッチを入れると思う。
この行動は正しい。室内はそれこそサウナのごとく蒸し上がっているので、脱水症状等気をつけるためには最適な行動といえる。


しかし私は自室において冷房をつけないようにしている。
その理由はこうだ。


人は環境に適応できる能力がある。例えば筋トレ。初めは重いものを全く動かせなかったが、トレーニングすることで動かせるようになる。
これすなわち身体の負荷を解消するように筋肉が発達した結果だ。
つまり自分に負荷をかけることで、身体がレベルアップするのだ。


この理論を応用したのが暑い中でも冷房をつけないというものだ。
暑いという負荷をかけることで己の肉体を強くする。そのおかげでどんなに暑い環境でも己1つで生きていける。
これは自分と夏の暑さとの闘いだ。夏との闘いに勝つことで強い肉体を手に入れることができるのだ。
さあ夏よ、かかってこい。私を強くしてみなさい。


ある夜のこと。いつものように窓から入ってくる風を頼りに眠りについていた。
しかしこの日は全くと言っていいほど風がなかった。完全なる「無」である。
無が引き起こした状態。それは全く寝付けないほど暑苦しい夜を提供していた。

いくら何でもこれはない。常軌を逸している。勝負どころではない。このままでは溶けてしまう。
気づけば手元にはエアコンのスイッチ。これを押せば確実に幸せになれる。だがしかし、、!!

何のためにここまで頑張ってきたんだ。これは試練だ、ここが正念場だ。
しかし頭の中の悪魔が囁く。


「押してええんやで」


悪魔が関西弁で囁く。何という口の臭さだ。
換気を良くせねば。部屋が腐ってしまう。コイツの口臭で。
ほどなくしてエアコンの「送風」のスイッチを入れた。不快な臭いは外気に消え、私は幸せを手に入れた。
そして幸福に包まれたまま眠りについた。


そしてある夜のこと。いつものようにエアコンの送風を頼りに眠りについていた。
しかしこの日はいつも以上に蒸し暑い。高すぎる湿度によってとても寝付けるものではなかった。

気づけば手元にはエアコンのスイッチ。幸せへのボタン。
いや、だめだだめだ。ちゃんと自分の力で乗り切るんだ。

葛藤している隙に悪魔が忍び寄る。そして囁くのである。


「自分、早く押した方が身のためやで」


悪魔がつぶやく。関西弁で。しかし何という口の臭さだ。歯にドリアンでも挟んでいるのか。
しかも体臭がひどい。高い湿度によってめちゃくちゃ汗をかいているではないか。誰かコイツの汗を止めてくれ。
エアコンよ、助けてくれ。このままではマンションが、マンションが腐ってしまう。
ほどなくしてエアコンの「ドライ」のスイッチを入れた。
部屋にデオドラントをまき散らし、適切な湿度のおかげで幸福に包まれたまま眠りにつくことができた。



そしてそしてある夜のこと。いつものようにエアコンのドライを頼りに眠りについていた。
しかしこの日は暑すぎる。気温は過去最高を記録していた。日中に照らされたアスファルトヒートアイランド現象を引き起こしていた。
だが負けるわけにはいかない。もうすでに「送風」と「ドライ」のカードを切ってしまった。あとは大将の「冷房」のみ。
ところが自分の意思に反したように手元にはエアコンのスイッチ。
しかし、ここは屈するわけにはいかない。いかないんだ。

だがやはり悪魔はこの機を逃さなかった。ドリアンを挟んだ口元で私に囁く。


「自分、はよ押さんとアカンでホンマ(怒)」


悪魔が話しかけてくる。なぜか関西弁で。しかし相変わらずの口の臭さだ。これはもはや公害だ。口臭道徳に違反している。
しかし何故コイツが切れてるんだ。怒りたいのはこっちだ。お前の臭いに。
切れた熱気で部屋の温度が上昇する。その温度にまた切れる。部屋の温度はハイパーインフレを起こしていた。

エアコンよ、助けてくれ。このままではマンションが焼失してしまう。
私は泣く泣くエアコンの「冷房」のスイッチを入れた。

部屋の温度は下がっていく。意識がはっきりしていく。部屋を幸福感が満たしていく。
これがエアコンの力か。世界は・・・こんなにも涼しかったんだ。

部屋に悪魔はいない。退治したんだ。長き戦いだった。あいつは何だったんだろう。


あの過酷な環境が嘘みたいに彩られた世界で、目が覚めたような気がした。

私はエアコンと共に生きていこう。

意地をはってエアコンの力を頼らないなんて、ろくなことにならない。

身体を壊してしまったら元も子もない。


そして今日も「冷房」のスイッチを入れる。

適温よりも2℃高い設定にして。

悪魔が来ないおまじない。



えーと、

なんだこの文章は