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節分で追い出された鬼はどこに行くのか

今週のお題「わたしの節分」

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「鬼は外!福は内!」
皆さん豆まきはやってますか?

2/3は節分の日です。
豆まきをやったり恵方巻を食べたりしますね。

豆まきと言えば鬼。
毎年豆を投げられて外に追い出されてます。

なかなか可哀そうだなと思うのですが、この鬼は追い出された後どこに行くのでしょうか
ちょっと気になったので考察してみました。

節分の意味

そもそも節分とはどんな意味があるのでしょう?
節分とはその名の通り季節を分けるという意味があります。

季節には春、夏、秋、冬があり、それぞれ始まる日があって、
立春立夏立秋立冬と呼ばれています。
2019年では立春が2月4日、立夏が5月6日、立秋が8月8日、立冬が11月8日です。

節分は季節を分けるということで、季節が4つありますから節分は4回あるということになります。
節分は春夏秋冬のそれぞれが始まる前日なので、2月3日は節分の日ということになります。

じゃあ何で豆まきは年一回なの?ということですが、
立春は冬が終わって新しい季節が始まるということで特別なんです。

しかしこの日、季節の変わり目には邪気が入りやすいのです。
邪気が実体化したのが鬼というわけですね。

節分の日は新しい年の新しい季節ということで取り分け大事な日です。
そこで邪気、鬼を追い払って福を呼び込み、
素敵な一年にしようというのが節分の豆まきです。

鬼とは

ところで鬼とは何者なんでしょう。

鬼は角が生えていて口が裂け、牙をはやして手に金棒を持っているイメージはたいていの人が持ってると思います。
でも鬼には色んな種類がいます。

例えば酒呑童子は最強の鬼と言われていて、体長は何と6mあります。
日本の中世三大妖怪である、酒呑童子、大嶽丸、玉藻前(九尾の狐)のうちの一人です。
昔の京都を暴れまわり、人も食べてしまうとんでもないやつです。

他にも小さな鬼の餓鬼とか老婆の姿をした山姥とか、お面とかでよく見る般若など色んな種類がいます。
豆まきでよく追い出されているのは赤鬼とか青鬼ですね。
酒呑童子は豆まきでは倒せないと思います。

少し脱線しますが他にもたくさん鬼はいて、彼らは普段地獄で仕事をしています。
地獄に落ちてきた罪人たちを苦しめるお仕事です。

一番ホワイトな職場が等活地獄ですが、ここの労働時間が1兆6000億年
一番ブラックな職場の無間地獄は682京年です。
人とは比べものにならないくらいハードな仕事をこなしています。
そりゃ人間界にきてみたくなりますよね。

ところで豆まきでよく追い出されている赤鬼や青鬼。
彼らはどんな特徴を持っているかご存知ですか?

赤や青は人間の悪い心を表しています。
仏教では「五蓋」といって、悟りを妨げる蓋のような煩悩が5つあります。
この五蓋にはそれぞれ色が割り当てられています。
つまり貪欲(とんよく)の赤瞋恚(しんに)の青掉挙(じょうこ)・悪作(おさ)の黄昏沈(こんじん)・睡眠(すいみん)の緑疑(ぎ)の黒です。
それが鬼の形を成して、赤鬼、青鬼、黄鬼、緑鬼、黒鬼となるわけですね。

それぞれどんな意味があるのかというと、

赤(貪欲)は欲望や渇望など求めすぎる心を表し、全ての悪の心の象徴です。
貪欲があるから争いが起きたりするわけですね。
全ての悪の象徴なので赤鬼は節分でよく追い出されているわけです。
赤鬼を追い出すことで悪い心が取り除かれます。

青(瞋恚)は悪意や憎しみ、怒りの心を表します。

青鬼を追い出すことで福相、福徳に恵まれます。

黄(掉挙・悪作)は心が高ぶりうきうきしたような調子に乗った状態(掉挙)と、後悔した状態(悪作)があり、心が落ち着いていない様子、浮動、後悔の心を表します。
黄鬼を追い出すことで心が乱されず、自己中心的にならず公正な判断ができる心になります。

緑(昏沈・睡眠)は心が沈んでやる気がなくなった状態(昏沈)と、心が鈍くなって眠たくなる状態、つまらなくなって成長をストップさせてしまう状態(睡眠)からなり、
倦怠、眠気、不健康な心を表します。

緑鬼を追い出すと不摂生を直し、健康的になります。

黒(疑)は疑いの心です。
疑には善の疑と悪の疑があります。
善の疑とはこれは本当に正しいのか、もっと上手いやり方があるんじゃないかと、ポジティブな疑いのこと。
悪の疑とはそれは絶対に間違っている、自分は絶対に信じないというような何も信用せず何もかも否定してくるようなネガティブな疑いのこと。
黒はこのような疑心暗鬼の心を表します。
黒鬼を追い出すことで疑心暗鬼の心を追い払い、平穏な心を取り戻せます。

これら鬼は人の心に潜む悪の心から発生しています。
人から発生した悪の心の化身、鬼が自らを責め立てるのです。

なぜ豆で追い出せるのか

このような鬼たちを何故豆で追い出せるのか。
気になったことはありませんか?
鬼は角もあるし牙もあるし、金棒だって持っているのですよ?
体格もそれなりにでかいのに何故豆で追い払えるのでしょうか。
上司に鬼を倒してこいと言われて拳銃や剣を支給してもらえると思いきや、豆を数粒渡されたら正気を疑いますよね。

もともと日本では穀物などに邪気を払う効果があるとされてきました。
古事記には穀物に由来のある神様が登場しています。
穀物の持つ霊力が邪気を払うのです。
豆に宿る穀霊が魔を滅するのです。
っするのです。。。

豆は「魔目」と言われるくらいに、魔、鬼の目を打ちつぶします。

追い出された鬼はどこに行くのか

ここまで節分、鬼、豆について整理してきました。
いよいよ本題です。
節分で追い出された鬼はどこに行くのでしょうか。

まずおかしなことがあります。

ここまでの話しで鬼は豆によって目を打ちつぶされてますよね。
この様子は室町時代から本格的に始まっています。
地獄の話しでもあったように鬼の寿命はとても長いことが推察されます。

だとしたらどうですか?

鬼は目をつぶされた翌年にもまた現れて目をつぶされているわけですよ。
それを室町時代からずっと繰り返しているわけですよ。

普通はこう思うんじゃないでしょうか。

いや、いい加減学べよと。
来年は対策してこいよと。

だって全く反省してないじゃないですか。
「今年もあかんかったわー」ってそりゃそうでしょ。

人は歴史から学ぶことができます。
先人たちが色々高度な知恵を残してくれたおかけで我々は成長、発展を遂げられたわけです。

なのに何故鬼たちは先人も一緒になってやられてくるのでしょう。
来年は対策として保護メガネと防弾チョッキをつけることくらい簡単にとれそうなものです。
でも日本の歴史史上保護メガネや防弾チョッキをつけた特殊部隊のような鬼は確認されていません。

そこから考えられる仮説があります。

追い出された鬼は消滅してまた次の年に生まれ変わる。(ドヤっ)

学んでないのが何よりの根拠です。
やられた記憶があるなら何かしらの対策をとると思いますが、そのようなことは一切ない。
ということは目をやられた鬼は霊力を失って力尽きて死んでしまっている可能性が極めて高い。

これまで鬼の死体を見つけた事例もないでしょうから、
追い出されて目を失った鬼は死んで消滅してるのではないでしょうか。

しかし赤鬼や青鬼は人の悪い心が作った化身です。
人が悪い心をもっている限り何度も蘇ります。

人が悪い心を捨て、世界が平和になったとき、鬼はやってこなくなるでしょう。
節分で豆をまくことがなくなったとき、そこには世界から悪い心が消え、平和な世界が広がっていることでしょう。

さて今年の節分には何匹の鬼たちが現れるのでしょうか。